MSX-AUDIOの実力

parupu2012-01-08

アウトラン「Splash Wave」
http://members.sakuratan.com/parupu/2012/20120108/splash.mp3


MSXのオプション音源であるMSX-AUDIO」。2オペレータのFM音源であるOPL相当のFM9音またはFM6音+リズム5音にADPCMが1音という当時としては高性能な音源であります。
MSXが発売されてかなり早い段階から正式な規格としてアナウンスはされていましたが、実際に発売されたのは低価格のMSX2が発売されはじめた後の1987年で、その発売されたMSX-AUDIOPanasonic FS-CA1」は同社の低価格MSX2・FS-A1シリーズの本体に合わせた奇抜なカートリッジ形状のため接続できない機種もあり、さらに34,800円という本体に匹敵するくらいの定価のためまったく普及せず、のちに発売された性能は劣るが低価格のFM-PAC(OPLL)がMSX(2)の事実上の標準音源になっていくのでした。


私の手元にはジャンク品として数年前に購入したFS-CA1があり、購入直後にこれをMSXturboR・FS-A1STに装着し、電波新聞社から発売されていたMSX/2/2+ ゲームミュージックプログラム大全集」に掲載されているMSX-AUDIO用のプログラムを入力して演奏させてみたのですが、なぜかうまく演奏されません。入力したプログラムが掲載どうりであることをチェックしても間違っていないので、ジャンク品だったのだから故障しているのだろうと思っていました。

その後しばらくして何かのネットの記事で「MSXturboRでは正常に演奏されない」と書いてあるのを見て、試しにA1STを標準モードで起動して入力してあったMSX-AUDIO用のプログラムを演奏させたところ、特に何事も無く普通に演奏されました(^^
turboRとMSX-AUDIOに対応している海外のメガデモでは特に問題なく音が鳴るので、内蔵の拡張BASICがturboRに対応していないのだと思われます。


MSX/2/2+ ゲームミュージックプログラム大全集」には、MSX-AUDIO用のプログラムとして16進数に変換されたADPCMの膨大なサンプリングデータとともにアウトランのSplash Waveのプログラムが掲載されています。ADPCMを使用しているプログラムはこの1つだけで、この本を入手した当時は当然MSX-AUDIOを持っておらず、いったいどんな音で演奏されるのだろうと非常に興味がありました。
手元にあるMSX-AUDIOが正常動作することがわかってから少しづつ入力していたものの、そのデータの膨大さから途中まで入力して挫折し数年間放置してありましたが、ここ数日でがんばって最後まで入力してみました。それを演奏させて録音したのが冒頭のMP3ファイルです。
テンポが若干不安定ですが、ADPCMによる迫力のあるドラムやFM-PACとはまるで違う音色はかなりすばらしいものがあります。BASICでここまでできるのだから、MSX-AUDIOに対応しているドライバであるSCMDで作成したら相当すごいものができるはず。なんとかして自分でも曲を作ってみたいところですが、ドライバの使い方がさっぱりわからないのでどうしたものかとw


余談ですが「MSX/2/2+ ゲームミュージックプログラム大全集」には私が投稿したPSGのプログラムが最初に載っており、手元にあるものは電波新聞社から掲載料8,000円の為替とともに頂いた私の宝物です(^^