PC-8801FAをフレームマイスターで表示させる

parupu2012-05-20

昨日の日記のとおり、フレームマイスターのファームウェアのアップデートにより、以前は表示すらされなかったPC-8801FAが15kHzはもちろん24kHzでも表示できるようになりました。今回のアップデートでいろいろな機能が増えたり、不具合が改善されて以前では表示できなかったゲーム基盤等も表示できるようになっているなど、フレームマイスターに対するマイコンソフトなにわ氏の意地を感じます。
とにかく半ばあきらめていたPC-8801FAが表示できるようになってたいへんうれしいので、所有している88用のソフトを片っ端から表示させて遊んでみました。


私が高校生の時に購入したPC-8801FAです。当時街中にあった関西電波(現ケーズデンキ)で展示品だったものを約半額(8万円くらい)で購入し、巨大な箱を自転車の荷台にのせ、友人に手伝ってもらいながら自転車を歩いて押して家まで運びました(^^。時々リセットができなくなることがありますが、その他の不具合はなく、購入から20数年経った現在でもまったく普通に動作します。

PC-8801FAからの出力を15kHzにして表示させています。フレームマイスターをアップデートしてもそのままでは表示されず、新たに設定できるようになった「同期レベル」の値を「11〜19」(初期値は「9」)に設定すれば問題なく表示されます。

PC-8801FAからの出力を24kHzにして表示させています。走査線が入っていますが、「マイスター」モードではなく「標準」モードの画面です。普通のディスプレイで表示させても24kHzでは走査線がはいるので、これを忠実に再現していることになります。

表示させている液晶テレビフレームマイスター用に購入した「REGZA 22A2」ですが、上の画面ではフレームマイスターの出力モードが「HDMI」の「1080p」なので、解像度が1368×768の「REGZA 22A2」ではスケーリングされて走査線が均一ではなくなっています。極力「Dot by Dot」に近い状態で表示させるため、フレームマイスターの出力モードを「DVI」の「800×600」にして、さらに「入力垂直幅」をいぢって均一にしてみました。画面は小さくなりますが、これなら走査線が入っていてもあまり違和感はありません。


24kHzで普通のディスプレイに表示させた場合、グラフィック画面には走査線が入りますが、テキスト画面には走査線は入りません。よってグラフィック画面とテキスト画面の両方を使用している場合は、走査線が有るグラフィック画面と走査線が無いテキスト画面が混在して表示されます。
それがよくわかるのがこちらの電波新聞社から発売された88SR版「スペースハリアー」。グラフィック画面に描かれているタイトル等には走査線が入っていますが、真ん中のテキスト文字には走査線が入っていません。

もっとよくわかるのがこちらのボーナスステージの画面。背景はグラフィック画面に描かれているため走査線が入って色が暗くなっていますが、主人公キャラが乗っている善の竜はテキスト画面に描かれているため走査線が入ってなく色が明るくなっています。当然普通のディスプレイでも24kHzで表示させるとこのようになるため、普通のディスプレイでの表示を完全に再現していることになります。すばらしいです!!!

黄色いのは善の竜のシッポのようですw


15kHzで表示させた場合、「マイスター」モードでなければ他のゲーム機などの場合と同じく走査線が入りません。いくつかのソフトで15kHzと24kHzの表示のされ方がどう違うかを試してみます。


まずはゲームアーツの「ヴェイグス」。15kHzの場合は走査線は入らないので色がきれいに出ます。

24kHzの場合は走査線が入るので、いかにも88っぽい感じになります。


SPSが移植した「ザ・リターン・オブ・イシター」。15kHzではのっぺりした感じですが・・・

やはり24kHzで走査線があったほうが、よりレトロゲームな感じがしてよいです。


88は使用できる色数が少ないので、タイリングを使用して見かけ上の色数を増やしています。こちらはエルフの「RAY・GUN」。グラフィックを表示するゲームでは当然のようにタイリングが多用されています。走査線がある24kHzならそれがとてもよく再現され、実機同様の美しい画面が見られます。



上と同じ画面を15kHzで表示させましたが、縦長のドットが目立ってしまいイマイチです。


88SR以降ならアナログパレットを使用でき、対応しているソフトとアナログディスプレイがあれば中間色を表示できます。こちらは「メタルオレンジ」。24kHzではいかにも88的な感じですが・・・

たぶんアナログパレットを使用しているのでタイリングを使用している部分が少なく、15kHzの方が美しく表示されます。なんだかX68000のような感じです(^^


15kHzで表示させた「時空の花嫁」です。アナログパレットを使用しているかどうかはわかりませんが、やはりタイリングをしている部分が少ないので非常に美しく表示されています。


とはいえ発色がどれだけきれいでも、やはり24kHzで走査線があったほうがレトロゲームっぽい感じがして個人的には良いと思います。以下は24kHzで表示させた画面です。


エニックスが移植した88版「ゼビウス」。見たとおりかなり苦しい出来で、これがなぜ「タイニーゼビウス」ではないのか疑問ですw


電波新聞社が移植した88SR版「グロブダー」。こちらはかなり完璧な移植だと思います。

88SR用に電波新聞社が移植したナムコのゲームはとにかく入手困難です。88SR用の「ディグダグ」や「マッピー」で遊んでみたいのですが・・・。


古代祐三によるBGMがとにかく有名な伝説のゲーム「ザ・スキーム」です。ADPCMを駆使したBGMのみならず、キャラの動きが88とは思えないくらいスムースなのも特筆すべき点です。
以前フレームマイスターの動作状況の日記で入力遅延が気になると書きましたが、88ではいくらキャラの動きがスムースでもゲーム機の比ではないので、多少の入力遅延があっても気になりません。

「ザ・スキーム ミュージックギャラリー」でPC-8801FA実機で演奏される至高のBGMを聴いていると時を忘れます(^^


新たなジャンル()を確立した「カオスエンジェルズ」です。



ゲームをクリアした後のOMAKEディスクは「ドラゴンナイト」が初めだったような。





ポッキー麻雀が異常に難しい「雀ボーグすずめ」です。タイリングを駆使した美しいグラフィックは、もはや芸術の域に達しているといっても過言ではありませんw





88の最終期にファルコムから発売された「ぽっぷるメイル」です。デモのグラフィックは98の400ラインの画像を200ラインにコンバートしたような苦しいものではありますが・・・


ゲーム画面は整然とドットが並んで作り上げられており、これぞ88!!!といった感じの画面が最高に美しいと思います(^^


しかしわざわざ24kHzでなくても15kHzを「マイスター」モードで表示させれば疑似走査線が入るので、24kHzにそれほどこだわる必要はないわけですがw
ここからはおまけ。


88では実にめずらしい400ライン表示に対応した「カサブランカに愛を」です。モノクロなので見栄えがせず、これといった感想は特に無いです(何

漢字が細かく示されるのは400ラインならではですが、コマンドがまったくわからないのでこれ以上進めませんw


サウンドボードII対応の音楽作成ソフト、エニックスの「フォーミュラC.M.S.」です。ADPCMやソフトウェアエンベローブなども使え、なかなか高機能だったと思います。高校生当時、私はこれでTM NETWORK()の曲の打ち込みをしていました。機会があったら当時作った曲を公開しようかなw


東海地方が誇る今も現役のレジェンドDJ・つボイノリオ氏。80年代当時、氏のソフト会社だった「つボイノリオ商店」から発売された「手書き連合 まるみちゃん 乱筆くん ていねい君」です。が、ユーカラ等を持っていないので画像はありません。ただ持っていることを自慢したかっただけですw


以上いろいろなソフトで表示させましたが、所有しているいくつかのソフトのディスクの表面にカビが発生しているのに気づきました。

古いソフトを中古等で購入した場合、必ずすべてのディスクの表面のカビの有無を確認して、カビが発生していた場合は薬剤を使用して丁寧に除去した上で保管していますが、その処理をしたソフトでこのようになってしまっていました。一度カビが発生すると除去はしきれないのかもしれません。
フレームマイスターを導入した理由である「ゲーム機等を表示させるディスプレイが無くなる」という問題よりも、このような「貴重なソフトにカビが発生して使えなくなる」といった問題の方がはるかに重要です。カビを防ぐなにか良い方法はないのでしょうか。