メガドライブRGB出力小改造

parupu2012-05-19

先般の日記のフレームマイスターでの動作状況のとおり、メガドライブをフレームマイスターにつなぐとうまく表示されなかったり、表示されてもすぐに表示されなくなってしまうなどといった不具合が出ます。
ネットでの情報によると、メガドライブのRGB出力では
・RGB信号の終端処理がされておらず、ビデオエンコーダチップから出ているRGB信号が直接RGB端子につながっている。
・RGB端子から出ている複合同期信号は、ビデオエンコーダチップから出ている信号ではなく、VDPから直接出ている信号(TTLレベル?)を使用しているので、そのままでは使用できない。
・ビデオコンポジットの複合同期信号はかなり不安定。
などなど、いろいろと問題があるようです。
複合同期信号については、使用しているビデオエンコーダチップにいくつかの種類があり、その互換性を保つためにこのような仕様になっているようです。ビデオエンコーダチップがSONY製のものならアナログ21ピンRGBで使用する複合同期信号がチップから出ているとのことなので、この複合同期信号を使用すればフレームマイスターでも正常に表示できるようになるのではと思います。
ということで所有しているメガドライブを、SONY製のビデオエンコーダチップから出ている複合同期信号を本体のRGB端子から出力させるための小改造をしましたので、その過程をメモっておきたいと思います。


メガドライブをフレームマイスターにつなぐためのRGBケーブル、「ソビエトコンピュータシステム」さまの「MD用21ピンRGBケーブルR2 MDRGB21R2」です。問題の一つであるRGB信号の終端処理をケーブル側で行っているという逸品です。

ケーブルの各端子を開けてみました。21ピン側のRGB各信号のピンの上にはビニールの中に抵抗が入っていて、ケーブル側でRGB信号の終端処理をしています。
21ピン側の複合同期信号のピンには黄色のコードが配線されていて、8ピン側の黄色のコードが配線されているピンをみると、いわゆる複合同期信号のピンではなくビデオコンポジットのピンに配線されているのが分かります。ということは、本体からのビデオコンポジット信号もフレームマイスターでは使えないということになります。
希少なこのケーブルの改造はしたくないので、メガドライブ本体を小改造して、このピンから出ている信号をビデオコンポジット信号ではなくビデオエンコーダチップから出ている複合同期信号に付け変えます。

メガドライブ本体を開けてみました。基盤バージョンはVA6、CPUのZ80や68000、FM音源のYM2612などが並んでいます。ビデオエンコーダチップは放熱板の下に隠れています。

放熱板の陰になって見にくいですが、ビデオエンコーダチップはSONY製のものです。このチップの裏側に無配線のピンがあり、そこから複合同期信号が出ているので、それをチップの右横にあるRGB端子につなげます。

サラッといぢりました。RGB端子からつながっている基盤のビデオコンポジット信号の配線に傷をキズを入れて絶縁し、ビデオエンコーダチップの無配線になっているピンから出ている複合同期信号を抵抗を通してRGB端子のビデオコンポジットのピンにつなげます。抵抗の値は例によってネットで調べればすぐに出てきますw
長々と書きましたが、改造はこれだけです(^^


これでフレームマイスターにつないでも不具合は出なくなりました・・・と言いたいところですが、実はこの改造や検証の最中にフレームマイスターのファームウェアがアップデートされ、この小改造メガドライブはもちろん、PC-8801FAの24kHzの映像までもがまったく問題なく表示されるようになりました。すばらしい!
なのでこのような改造をしなくとも、ファームウェアをアップデートすれば普通に表示されるかもしれません。時すでに遅しですw